|
人間って、予想もしていないモノが突然耳に入ってきても、うまく認識できないものなんだなぁ、と改めて感じ入る。
昼間、電話が鳴って出ると、「お預かりしていたナントカの修理が済みましたので取りに来てください」とのこと。電話口の女性の声は決して不明瞭なものではなかったのだけど、その「ナントカ」の部分がなんて言ってるのか全然聞き取れず、何度も聞き返してしまう。4、5回聞き返してそろそろ向こうもウンザリしてきたなってところでやっと聞き取れたのが、なんと、まぁ、チェーンソー。 いや、うちには林業もログハウス造りが趣味のヒトもテキサス・チェーンソーもいませんからね。僕自身、実物を触ったこともないですし。とりあえず用件を承って受話器を置いてから、間違い電話かなと思いました。 が、はたして間違いじゃありませんでした。夕方、帰ってきたお父さんに聞いてみると、そのチェーンソーを預けたのは彼でした。父ちゃん……アンタ何者!? 「のだめ」 ふと思ったんだけど(ファンの間ではもうとっくに言われてることかもしれませんが)、千秋は、どうしてあんなに憎んでる父親のものである「千秋」の姓を名乗ってるんだろう。両親は離婚しているようだし、とすれば母親は旧姓である「三善」に戻ってるはずだし、その母親に引き取られた真一君は、普通なら「三善真一」になるんだと思うし……。 何か特別な事情だとか、両親やその子供自身の希望なりがあって、親権を持たない方の親の姓を名乗る場合もあるのかもしれないけど、真一君やそのお母さんや千秋雅之といった人たちを考えると、「あえて」そんなことをするとは、まず思えない。 う〜ん……、謎です。 |
|
週末に姪っ子が来ていました(脳内ではありません)。
普通に理解できる言葉をしゃべるようになって早数ヶ月。今ではすっかりマシンガントークです。生意気な口答えや屁理屈もこねるようになりました。初めて嘘をついているのが分かったときは、ショックや失望より感動の方が大きかったです。まぁ、それだって成長の証ですからね。 それでも、まだまだオカシナことをのたまうのはしょっちゅうで、この前のこと。ばぁばの鏡台の前で何やらゴゾゴゾやってたかと思ったら、こっちに駆けてきて一言。 「ねー、ビックリビームしたよ!!」 ビックリビーム……? はてさて、おいちゃん初めて聞く単語。いったいなんだろう。愛と勇気だけが友達の菓子パンヒーロー、彼らの新しい仲間の必殺技だろうか? おそらく、「びっくりばこくん」とかそーゆーキャラなんだろうなぁ、おぉお、容易に想像できるその姿! あ、ビックリ箱といえばてっぺんにリボンで結んであるものと相場が決まっている、そうなると「びっくりばこくん」じゃなくて「びっくりばこちゃん」の可能性の方が7割り増しだぞ。ん、待てよ。ってことは……「びっくりば子」ちゃんなのか!? くぅーーっ、さすがやなせ! いなせなやなせ!! と一人感動に浸りかけていた叔父さん(あらためていうとやっぱり嫌だなぁ!!)に、おませな子は 「ねーねー、みてビックリビーム!」 と唇を指差しています。唇ばかりか口の端からほっぺまでテラテラてかって、何やらハーブの香り。 ビックリビームじゃなくて リップクリームでした。 字で書くとイマイチピンとこないかもしれないけど、実際発音してみてください。思わずほくそえんでしまいませんか? 単なる言い間違い(聞き間違いでもありますが)が意味のある言葉になってしまうと、なんかとっても愉快です。 「ビックリビーム」を面白がって繰り返し言っていると、自分が間違えたのを悟って、でもそれがウケているのも理解して、 「うん、ビックリビームしてビックリしちゃったのー」 なんて笑ってるあたり、根っからのお調子者です。 ![]() |
|
とつぜん、
ブログを持ってたことを思い出した。 ここしばらく、マンガの方が停滞気味です。 やばいなやばいなと思いつつ、なかなか捗らず。積み重なるのは原稿ではなく焦りばかり。しまいには身体を壊してしまうし。病院行ったら、通常の診察に加えてちょっとした検査をされて、インフルエンザではないけど「ちょっと長引くかもね〜」と、いつもより多目の薬を処方されてしまうし。そんなこんなで薬漬けの生活(一日三回食後服用でしたが、一日三食がなかなかに難しいシロモノです、僕の場合)を2〜3日送りましたが、もう大分よくなりました。医者が言うほど長引かなかったです。念のため、もう一回病院に行って診てもらったほうがいいかなぁとも思いますが、正直めんどくさいですね…… んで、マンガの方なんですけど、3本連続の続きモノを描くと言っておいて、1本目を描いてその次、そのまた次を空けてしまいました(何たる失態ッ……!!)。その続きを、今描いています。待ってくれてる人(いるかな……)、ごめんなさい。 この前のエントリ(去年ですが……)でドラマのだめのことを書きましたが、今はアニメ版が放映中ですね。巷でどういう評価がされているかは分かりませんけど、僕個人をしては、数話観て撤退しました。具体的には、桜ちゃんの回までです。あの回はすごかったけど、それ以前から「うーん、これは……」という気はしてました。のだめや千秋のイメージが、僕の抱いていたのと全然違う(あんなのだめ、全然変態じゃないじゃん!)とか、そーゆう細かいところはさて置くとして、何でわざわざアニメでこれをやろうと思ったのかわからない、というのが一番大きいです。 そんな青臭いこと言い出したらキリがない、っていうのがホントのとこだろうというのは分かっています。売れてる原作をドラマにしてアニメにして、当たり前のことです。ですが、原作がマンガだったり小説だったりした場合、そこには作者自身が意図する・しないにかかわらず、マンガ・小説だからこその表現で溢れている。それをそのまま動く絵にして「原作に忠実」というなら、そんな忠実にどんな価値があるでしょうか。そんなのただの劣化コピーに過ぎない。 というなら、アニメでやる意味ってなんだろう?と考えたときに、僕はアニメの専門家でもないので、そこから先はどん詰まりなのだけど……という話をKちゃんとしていて、最近読んだ本に書いてあったことを思い出しました。
去年、癌でお亡くなりになった米原万里さんのエッセイ処女作です。『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』や『オリガ・モリソヴナの反語法』もとても感動しましたが、これも最高でした。本書は、ロシア語通訳として活躍された著者が自身の経験談を交えて面白おかしく、時には鋭く辛らつに綴った通訳・翻訳に関するエッセイ集です。 この中で、その国の言語特有の表現である慣用句や駄洒落などの言葉遊びははたして翻訳可能か?というテーマで書かれたくだりがあります。日本語の『そこに塀が建ったんだってね』『へー』なんていう駄洒落は、もちろん他の言語にそのまま訳せはしません。こんな寒いオヤジギャグは、苦心してまで外国の方に教えてやる必要はないと思いますが、「しかしそもそも文学というものは、こういう言葉遊びが豊富なものである。(『不実な美女か貞淑な醜女か』より)」なのです。結論から言えば、あの手この手で「翻訳可能」。具体的には、字句通り訳そうとするのではなく、それぞれの言語で同じような効果・印象を与えるような言葉の組み合わせを探して、新たな言い回しを考案する等々。言うは易しですが、実際には途方もない忍耐と閃きが必要になるでしょう。そのようにして訳された、たとえば「不思議の国アリス」なんかを、こうして僕たちは楽しく読むことが出来るわけです。 これは通訳者ではなく翻訳者の苦労ですが、米原女子はじめ通訳者も、その自身の仕事において、字句通り訳すべきか、ニュアンスや印象を伝えるのを優先するべきか、様々なケースにおいてそれぞれに使い分けているのだそうです※。そもそもこの『不実な美女か貞淑な醜女か』という珍妙なタイトルからして、「良い通訳とは、元発言を裏切ってでも美しい言い回しをとるべきか、言い回しが拙く不自然になろうとも元発言に忠実であるべきか」という通訳者にとっての永遠のテーマ(らしいです)から来ています。 ※「使い分けている」というのは正しくありませんでした。本来は、元発言者の発言をそのままに訳すのが原則ではあるけど、相手に伝わりやすくするために、その場に相応しくない発言を訂正するために、やむを得ず元発言を裏切ってしまうことがある、ということです。「通訳は透明であれ」というのが、米原女史が通訳術の師匠から教わったモットー。 ちょっと(?)話は飛躍しますが、小説からドラマへ、マンガからアニメへ、そういった作品のトランスフォームも、これと同じことが言えるんじゃないかと思います。字句通り、原作に書かれた情報をそのまま伝えるべき所もあるでしょう。基本的な筋書き、作品のテーマ、重要なセリフなんかがそうでしょうか。しかし、これらもその限りではなかったりもします。原作上の表現を字句通りに移植するのではなく、その表現が、その翻訳作品においてどのような効果・印象を発揮するか、そこにこそ傾注すべきです。 ……なんて偉そうに書きましたが、こんなことはプロのクリエイタたるもの、百も千も承知しておられるであろうことは存じておるわけで、ええ。ではあっても、移植作品となると「忠実さ」ばかりが言われてるような気がする昨今、ちょっと考えてみたくもなりました次第。 ドラマのだめのスタートに添えて、たしか西村雅彦だったか、「生身の人間がやる面白さを見てほしい」みたいなことを言ってました。そうそう、ドラマの面白さは、まさしくそれだと思います。そんなわけで、ドラマの方は結構悪くなかったと、僕は思います。 |
|
| ホーム |
|




