未来には行けないタイムマシーン
 昨夜、またHMVのウェブストアでCDを買いました。

 最近はCDを買うのはもっぱらHMVかアマゾンです。ごくごくたまに、2〜3ヶ月に一回くらいリアルのタワレコで視聴買いやジャケ買いすることもあるけど、欲しいものが決まってる場合はネットのほうが圧倒的に便利ですね。今さら言うまでもないですが。いつもアマゾンとHMVを比べて、安いほうで買います。大した差ではないけど、HMVの方が安いことが多いです。もっとも、クレジットカード持ってない僕にとっては、支払い方法の関係でアマゾンの方が使いやすくはある。HMVでも銀行振り込みで支払いできるようにして欲しいです。

 そのHMVなんですが、前から時々その名前の意味が気になってました。その答えを昨日知ったのですが、けっこう意外なとこだったのです。まぁ、ウィキればすぐに判ることではあるんですが……
 HMVとは「His Master's Voice」の略で、直訳すれば「彼の主人の声」。これだけではチンプンカンプンな方も多いと思いますが、ビクターのトレードマークと言えば、ピンとくるんじゃないでしょうか。そう、蓄音機から流れてくる主人の声に聴き入っている犬、彼のキャッチコピーが「His Master's Voice」すなわちHMVなのです。

 ウィキペディアの項目HMVによれば次のとおり。

この犬のモデルはイギリスの風景画家マーク・バラウドの飼っていたフォックス・テリア犬の「ニッパー」。マークが亡くなったためニッパーを引き取った弟の画家フランシス・バラウドが、亡き飼い主マークの声が聞こえる蓄音機を不思議そうにのぞき込むニッパーの姿を描いたものである。この絵画に感銘を受けたレコード盤蓄音機の発明者エミール・ベルリナーは1900年に意匠登録を行い、世界中の企業で使用されるようになった。

 本国イングランドのHMVは、グラモフォン(そのものズバリ蓄音機という意味)というレコード会社の小売部門から始まっていて、そのグラモフォンでもトレードマークに「ニッパー」のロゴを使用していたことから、HMVの名前がつけられたみたいです。日本ビクターも、当初の親会社であるアメリカのビクタートーキングマシン社がグラモフォンを母体としていることから、同じく「ニッパー」にあやかっています。他にもEMIRCAなどといったレコード会社・オーディオメーカを「ニッパー」つながりで見つけることができます。

 亡き主人の声に聴き入る犬というのは、日本の忠犬ハチ公よろしく、たしかにそれだけで感銘を受けるものではありますが、こと音響関係の人たちがこのエピソードに感じ入ったということに面白さがあると思います。このエピソードが自分たちの商品を美談めかして語ってくれているから? いや、そうではなく、このエピソードがさり気なく「オーディオ」というものの真髄に触れているからではないでしょうか。

 レコードとはその訳のまんま、「記録」です。そして、そこに刻まれているものは、もうこの世のどこにも存在していないということ。写真や映画ともある種共通して、レコードとはそもそもその存在自体がノスタルジックな代物です。特に「音」というのは生まれたそばから消えていく。消え行く「音」を閉じ込めたレコードはタイムカプセルであり、それを再生するオーディオ機器はタイムマシーンなのです。HMVのエピソードはそのことを象徴的に語っている。だからこそ、音響関係の人々の心を捉えたのではないでしょうか。



 そういえば、HMVなんだから「Her Master's Voice」でもいいはずですよね……
 あぁっ! 想像しただけで、涙が……

Her Master’s Voice
想像だけじゃ足りなかったらしい。


【2007/05/28 18:47】 | 未分類 | トラックバック(1) | コメント(0) | page top↑
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