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イージス艦と漁船の事故のその後の顛末を見ていると、本当にこの国は先進国なのかという気がしてきます。国民の多くが政府や自衛隊のことを信用してないのに、そういう人達が仕切る島に暮らしている現実。その脆弱さは考えるだに薄ら寒いことこの上ない。
為政者たちの極私的な「きみとぼく」観に左右される国。これこそセカイ系といわずになんといおうか。 ヤンデレキャンペーン続行中、というわけではないですが、このキーワードで最近知った、入間一間著『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』を読みました。べつに、ヤンデレに関するものをことごとく漁っているというわけでもない(ヤンデレ大全もヤンデレCDもスルーしてるし)んですが、何となく興味が湧きまして。以前Lifeでちょっと取り上げられたっていうのも少しあります。左氏による表紙のイラストにも心惹かれるものがありました(そこは物語の内容には関係ないけどね)。 本について書くというわけで、当然ネタばれを避けることは出来ないでしょうから、そこんとこはご了承いただくか、このエントリィをすっ飛ばすか、どちらかにしていただくということで、ひとつ。 んで感想なんですが、とにかく読むのが大変でした(^^;)。とにかくひねくれた言い回しが多い、というより全編そんな調子なので、滑らかに文章を追うことも一苦労。それと、多くの人が感じるであろうことですが、僕もまず感じたのは西尾維新の戯言シリーズとの類似性ですね。文体からキャラクタから、そっくりです。とはいえ、これをパクリと揶揄する気は全然ありません。キャラ小説のひとりのパイオニアとしての西尾維新の功績は疑いようがないと思うし、影響を与える/受けることを否定してはそもそも表現活動というものは成り立ちませんから。 それにしても、ある表現のフォロアってのは必ずといっていいほどその表現を過激・濃密にさせる方向に行きがちっていうのは、いったいどうしてなんでしょうね。その逆のシンプル・ソリッドを志向するフォロアっていうのは、あんまりいない気が。あ、そういうのは「中途半端」とか「成り損ない」とかいわれるからか。そっちの方向への進化はオリジナルにのみ許されたもの、なのかな。 内容はというと、なかなかだったと思います。というか、最初はミステリィだということも知らずに読み始めたので、まずそこでちょっと驚き。ミステリィとしてみると「僕がみーくんであること」の理由が物語の根幹に繋がっているという所が秀逸だと思いました。今後の展開としては、「僕」が徹底的に忌避しタブーとしている××の扱いを如何としていくのか、という点が注目ですね。それは僕自身にとっても非常に身につまされまくる問題でもあるので……。 でも、この「まーちゃん」は、ヤンデレとはちょっと違うかなー、と思いました。ヤンデレというよりは、メンヘルですね。ちなみにメンヘルとはメンタル・ヘルスの略で、つまりは精神疾患のことです。それってヤンデレとどう違うのか? 現象としては同じなんですけど、問題はその意味。それと、消費のされ方です。 以前にも「ヤンデレ萌えしている男は、なにもメンヘルな彼女がほしいわけではない」と書きました。あくまで自分の中の定義ですけど、厳密にはヤンデレとメンヘルは別けときたいのです。その根拠は簡単にいってしまえば、トラウマの有無ということです。そのヤミに、病因となる心的外傷があるっていうことは、つまりものの道理に適っているわけで、そこに理不尽さはありません。そうなると、ヤンデレというものが発する神秘性ってのが濁ってしまうように思えるのです。やっぱり、理不尽なまでの恋慕、理解不能な愛情に戦慄し畏怖したいじゃないですか(笑)。これはちょっと違うかもだけど、例えばメイドもので「親の借金の形に売られてきました」というパターンが一番陳腐だ、ということとも似ています。その陳腐さがいいのだっていう場合も、もちろんありますけども。 まーちゃんが好きで大好きで××しているのは、「僕」ではなく「みーくん」です。この一点をとっても、彼女はヤンデレとしての条件を絶対的に欠いています。 まぁ、他の作品でもヤンデレキャラにその原因となるトラウマが設定されている場合ってのはけっこうあると思う(というかそれが普通?)し、そこに拘りすぎるとヤンデレを楽しめなくなってしまうとも思うので、これはホドホドに心の隅に留めて置くだけの原理主義です。でもこういう原理主義ってのも大切で、これがないことにはメタフィジカルな思考は出来ないのです。 トラウマ=理由の欠如により逆説的に存在感が強化されるという点では、かつて斎藤先生が論じた「戦闘美少女」とも共通する部分が見つかりますね。それで思い出したんですが、『舞-HiME』というアニメは戦闘美少女ものでもありますが、同時に彼女らは明らかにヤンデレです。 恋=戦い=自分の存在理由。 この理不尽な短絡が放つ魅力の意味を考えてみると、何かが見えてきそうな気が。
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